平成21年6月1日の改正薬事法実施前において、医薬品の販売業は、一般販売業、薬種商販売業、配置販売業及び特例販売業の4つに分かれていましたが、改正薬事法により、店舗販売業、配置販売業及び卸売販売業の3つに組み直されることとなりました。したがって、現在では、医薬品の販売業の種類は3つといえます。これは登録販売者試験の出題範囲にあったとおりです。
しかし、現実には、医薬品の販売業の種類がもっと多く存在しています。
現在では当然ながら、かつての一般販売業、薬種商販売業及び特例販売業の許可を新たに受けることはできません。どうして、医薬品の販売業の種類が3つを超えるというのでしょうか?
その答えは、改正薬事法の附則(ふそく)にあります。最後の条文の後ろについているアレです。改正薬事法の実施前、つまり平成21年6月1日に、現に医薬品を販売等する許可を受けていた者については、経過措置が取られているのです。経過措置といえども、なかには半永久的に継続するものもありますが。
ともあれ、皆さんがよくご存知の店舗販売業、配置販売業及び卸売販売業の3つ以外にも、次のような多様な医薬品の販売業者が今日も業務を続けているのです。ちょっと紹介してみましょう。
1.既存一般販売業者 (改正法の施行の際、現に一般販売業の許可を受けている者であって、「2」の卸売一般販売業者を除くもの)
(1) 既存一般販売業者は、平成21年6月1日から平成24年5月31日までの間、従来の業務を行うことができる。
(2) (1)にかかわらず、店舗販売業の許可を受けた者とみなされ、次に掲げる規定が適用される。
① 販売品目は一般用医薬品に限ること
② 店舗に店舗管理者を置くこと
③ 業許可を受けた者の遵守事項
④ 医薬品のリスクの程度に応じて薬剤師又は登録販売者に販売させること
⑤ 医薬品のリスクの程度に応じて情報提供や相談対応を行うこと
⑥ リスク区分ごとの陳列等、医薬品の陳列方法
⑦ 立ち入り検査等
⑧ 店舗管理者の変更
⑨ 業許可の取消し等
2. 卸売一般販売業者 (改正法の施行の際、現に卸売一般販売業の許可を受けている者)
(1) 卸売一般販売業者は、その許可の有効期間の残存期間に限り、卸売販売業の許可を受けた者とみなされる。
(2) 販売先等変更許可(改正前の薬事法第二六条第三項ただし書の許可)は、廃止となる。
(3) (2)にかかわらず、特例許可旧卸売一般販売業者(改正法の施行の際、現に改正前の薬事法第二六条第三項ただし書の許可を受けていた者)については、販売先等変更許可の有効期間の残存期間に限り、当該販売先等変更許可に係る販売又は授与の相手方に販売し、又授与することができる。
3.既存薬種商 (改正法の施行の際、現に薬種商販売業の許可を受けている者であって、「4」の旧薬種商を除くもの)
(1) 既存薬種商は、平成21年6月1日から平成24年5月31日までの間、従来の業務を行うことができる。
(2) (1)にかかわらず、店舗販売業の許可を受けた者とみなされ、次に掲げる規定が適用される。
① 販売品目は既存薬種商が販売等することができる医薬品のうち一般用医薬品に限ること
② 店舗に店舗管理者を置くこと
③ 業許可を受けた者の遵守事項
④ 医薬品のリスクの程度に応じて薬剤師又は登録販売者に販売させること
⑤ 医薬品のリスクの程度に応じて情報提供や相談対応を行うこと
⑥ リスク区分ごとの陳列等、医薬品の陳列方法
⑦ 立ち入り検査等
⑧ 店舗管理者の変更
⑨ 業許可の取消し等
(3) 改正法の施行前に薬種商販売業の許可を受けた者は、登録販売者試験に合格した者とみなされる。
4.旧薬種商 (昭和36年2月1日の本法の施行の際に薬種商販売業の許可を受けた者とみなされ、平成21年6月1日の改正法の施行日までの間継続して薬種商販売業を営んでいるもの)
(1) 旧薬種商は、従前の例により引き続き従来の業務を行うことができる。
(2) (1)にかかわらず、店舗販売業の許可を受けた者とみなされ、次に掲げる規定が適用される。
① 販売品目は旧薬種商が販売等することができる医薬品のうち一般用医薬品に限ること
② 店舗に店舗管理者を置くこと
③ 業許可を受けた者の遵守事項
④ 医薬品のリスクの程度に応じて薬剤師又は登録販売者に販売させること
⑤ 医薬品のリスクの程度に応じて情報提供や相談対応を行うこと
⑥ リスク区分ごとの陳列等、医薬品の陳列方法
⑦ 立ち入り検査等
⑧ 店舗管理者の変更
⑨ 業許可の取消し等
5.既存配置販売業者 (改正法の施行の際、現に配置販売業の許可を受けている者)
(1) 既存配置販売業者は、現行の配置販売品目を基本として、引き続き従来の業務を行うことができる。なお、許可の更新は、改正前の薬事法の規定に従う。
(2) (1)にかかわらず、配置販売業の許可を受けた者とみなされ、次に掲げる規定が適用される。
① 区域に区域管理者を置くこと
② 業許可を受けた者の遵守事項
③ 医薬品のリスクの程度に応じて薬剤師又は既存配置販売業者の配置員に配置させること
〔注〕配置販売業務に従事する者については、登録販売者である必要はなく、既存配置販売業者の配置員でよいこととされている。
④ 医薬品のリスクの程度に応じて情報提供や相談対応を行うこと
⑤ リスク区分ごとの陳列等、医薬品の陳列方法
⑥ 立ち入り検査等
⑦ 区域管理者の変更
⑧ 業許可の取消し等
6.小売業の特例販売業者 (改正法の施行の際、現に特例販売業の許可を受けている者であって、「7」の卸売業の特例販売業者を除くもの)
(1) 小売業の特例販売業者は、当分の間、従前の例により引き続き従来の業務を行うことができる。
7.卸売業の特例販売業者 (改正法の施行の際、現に特例販売業の許可を受けている者であって、指定卸売医療用ガス類及び指定卸売歯科用医薬品を販売するもの)
(1) 卸売業の特例販売業者は、平成21年6月1日から平成24年5月31日までの間、従来の業務を行うことができる。なお、更新時期が経過措置期間内に該当する場合、改正前の薬事法の規定に従って特例販売業の許可を更新することも、改正後の薬事法の規定に従って新規で卸売販売業の許可を受けることもできる。
(2) 卸売業の特例販売業者は、卸売販売業者とはみなされず、平成24年6月1日以降、卸売販売業の許可を新規で受けていなければ当該業務を継続することができない。

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