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2010年10月28日 (木)
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はてなブックマーク - 史上最大の難問
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登録販売者試験も今年で3年目を迎え、これまで出題された試験問題もおよそ5,000になりました。良く練られたもの、頻出のもの、マイナーなもの、といろいろありましたが、登録販売者の試験史上最大の難問といえば、平成21年8月26日に奈良県で実施されたものがその最右翼になるのではないかと思います。今回はその問題を取り上げてみましょう。

問25(第3章)
高コレステロール改善薬に関する記述の正誤のうち、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 高コレステロール改善薬は、小腸へのコレステロールの吸収を抑えたり、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す成分を主体として配合される。
  2. ソイステロールには、小腸におけるコレステロールの吸収を抑える働きがある。
  3. パンテチンは、小腸におけるコレステロールの吸収を抑える働きがある。
  4. リノール酸は、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す働きがある。
1. a:誤  b:正  c:正  d:誤
2. a:正  b:誤  c:正  d:正
3. a:誤  b:正  c:誤  d:正
4. a:正  b:誤  c:正  d:誤
5. a:正  b:正  c:誤  d:正

いかがでしたでしょうか? すぐに答えを導き出せたでしょうか?

もし、プロフェッショナルの方がこの問題を解くのでしたら簡単です。
<a:正,b:正,c:誤,d:正>となり、答は「5」となります。

一方、しっかりと試験勉強をした受験生がこの問題を解くと、どうなるでしょう?
厚生労働省の『登録販売者試験の手引き』には、以下のような記述があります。

『高コレステロール改善薬は、血中コレステロール異常の改善、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害の緩和等を目的として使用される医薬品である。“末梢組織”へのコレステロールの吸収を抑えたり、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す等により、血中コレステロール異常の改善を促すとされる成分(高コレステロール改善成分)を主体として配合される。なお、大豆油不鹸化物(ソイステロール)には、“末梢組織”におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。』

ソイステロール(植物ステロールの一種)は、実際のところ、その消化管吸収過程においてコレステロールと競合し、その結果、小腸へのコレステロールの吸収を抑える作用を示します。しかし、すでにお気づきのように、『登録販売者試験の手引き』では、上記のように“末梢組織”としており、“小腸”とは記載されていません。普通に読めば、上記のくだり『末梢組織へのコレステロールの吸収を抑えたり』は体内のコレステロール動態を述べたものと思われ、消化管内のコレステロールについて述べたものとはなかなか理解できません。
〔注〕“吸収”は、物質の血中移行を表現する際に用いられる用語

試しに『登録販売者試験の手引き』の文面どおりに正誤をつけてみましょう。すると、<a:誤,b:誤,c:誤,d:正>となります。しかし、その答は設問にありません。

つまり、一般の受験生は、<c:誤,d:正>を手がかりに、消去法で解答を導き出さなければならないことになります。そうなると、正答の候補は、選択肢「3」もしくは「5」ということになります。つまり、<a:誤,b:正>もしくは<a:正,b:正>のどちらかです。

この問題を解く鍵は、実は「a」と「b」の設問の一部が重なっていることにあります。ソイステロールが高コレステロール改善薬の一つである以上、「b」が正しいとするならば、自動的に「a」も正しくなってしまうのです。このような理由から、<a:誤,b:正>はありえず、答は「5」となります。

良問か否かは別として、これはあえて解答しづらいように作られた難しい問題といえるでしょう。奈良県ではこのような一風変わった問題が幾度か出題されてまいりました。ただ、平成22年度の試験問題をみていますと、奈良県の作問者が替わったようです。今後はこのような難問を目にする機会はなかなか得られないかもしれません。

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